この記事を読むとわかること
- 『ウィキッド 永遠の約束』の主題歌・挿入歌の全リスト
- 名曲が登場する印象的なシーンと演出の魅力
- 新曲が描き出すキャラクターの心情と物語性
映画『ウィキッド 永遠の約束』(原題:Wicked: For Good)は、人気ミュージカル『ウィキッド』の映画版続編として、心に残る名曲の数々を劇中で贅沢に紡ぎ出しています。
“Defying Gravity”をはじめとする人気楽曲に加え、映画版ならではの新曲も登場。名シーンを彩る音楽は、物語の感情やテーマをより強く観客の心に刻みます。
ここでは、収録された主題歌・挿入歌を一覧で紹介しながら、それぞれの楽曲がどんな場面で使われているかを解説します。
1. Defying Gravity(ディファイイング・グラビティ)
『ウィキッド』といえばこの曲、と言っても過言ではない代表的な名曲「Defying Gravity」。
エルファバが自らの信念を貫き、空へと飛び立つクライマックスで歌われるこの楽曲は、観る者すべてに解放と覚悟の力強さを感じさせます。
映画『永遠の約束』では前作を受け継ぐ形で再び使用され、物語に重厚なドラマを与えています。
圧巻のステージ演出とともに響くこの楽曲は、シンシア・エリヴォの迫力ある歌声によって再解釈され、より深い感情のうねりを伴って再現されました。
“重力なんかに縛られない”という歌詞が象徴するように、社会の枠に抗う強さと自由への渇望が力強く描かれています。
シリーズの精神そのものを体現した楽曲として、今作でも観客の心をつかんで離しません。
また、高く舞い上がる演出とともに新たなCG映像が加わり、映画ならではのスケール感で演出されています。
過去作を観てきたファンにとっては、懐かしさと新鮮さが交差する瞬間となるはずです。
この一曲が流れる瞬間、“ウィキッド”の世界が再び目の前に広がることでしょう。
2. No Place Like Home(ノー・プレイス・ライク・ホーム)
『永遠の約束』で初登場となるオリジナル新曲「No Place Like Home」は、エルファバの孤独と決意を描く印象的な一曲です。
劇中中盤、エルファバが“自分の居場所”について深く自問するシーンで歌われ、内面の葛藤と覚悟を音楽で表現しています。
タイトルが示す通り、この曲は「自分らしく生きられる場所とはどこか」というテーマに強く結びついています。
この楽曲を担当するのは、主演のシンシア・エリヴォ。
深く響く低音から魂を込めた高音まで、彼女の持つ声の表現力の豊かさが、楽曲の世界観をより濃密にしています。
とくにサビで繰り返される「There’s no place like home…」のフレーズは、静かながら強いメッセージ性を放っています。
演出面では、暗い森や霧の中に立つエルファバが照明に照らされ、まるで心の奥を照らすような美しいビジュアルが展開。
映像・演技・音楽が三位一体となり、この曲が持つ“魂の震え”を観客に届けます。
ミュージカル映画ならではの醍醐味を味わえる一曲です。
3. The Girl in the Bubble(ザ・ガール・イン・ザ・バブル)
グリンダ役・アリアナ・グランデが歌う繊細な新バラード「The Girl in the Bubble」は、“見せかけの幸福”と“心の孤独”を表現した深い一曲です。
この楽曲は、オズの象徴として持ち上げられたグリンダの本音を垣間見る重要なシーンで披露され、キャラクターの内面を鮮やかに映し出します。
歌詞の中には、「泡の中の私には誰も届かない」といった表現があり、自由のない“理想の魔女像”への葛藤がにじみ出ています。
アリアナ・グランデの透明感ある歌声が、この楽曲の持つ儚さや孤独を一層際立たせており、聴く者の感情に静かに訴えかけてきます。
前作では見られなかったグリンダの“弱さ”や“傷つきやすさ”が、このバラードを通して丁寧に描かれています。
キャラクターとしての深みを与える役割を担う、極めて重要な楽曲です。
視覚的にも、グリンダが本当に“泡”の中に閉じ込められたような演出がされており、現実と幻想の境界が曖昧になる幻想的な空間が展開されます。
この曲が流れる場面は、物語の転換点のひとつとして記憶に残るでしょう。
アリアナのファンのみならず、グリンダというキャラクターに共感を覚える観客も多いはずです。
4. Every Day More Wicked
映画の冒頭を彩るアップテンポなナンバー「Every Day More Wicked」は、オープニングとして物語の世界観を一気に観客へ引き込む役割を担っています。
エルファバやグリンダをはじめとする主要キャストが一斉に登場し、オズの国に渦巻く緊張感と政治的な不穏さがテンポよく描かれます。
サウンドは重厚なリズムと躍動感のあるメロディで構成され、観客の期待を高める導入曲として非常に効果的です。
この曲では、「今この国がどれだけ歪み、誰が“ウィキッド”とされているのか」という状況説明も巧みに織り交ぜられています。
物語を知らない初見の観客でも、すぐに時代背景やキャラクターの立ち位置が理解できる構成になっており、脚本との融合が見事です。
まさに“世界観の鍵”を握る一曲と言えるでしょう。
シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデが交互にソロパートを担当する場面もあり、ふたりのコントラストと連携が物語のはじまりを印象づけます。
また、コーラス隊の迫力あるハーモニーが楽曲を劇場的に盛り上げ、舞台版ミュージカルの興奮を見事に映像化しています。
『永遠の約束』の幕開けにふさわしい、パワフルなスタートソングです。
5. Thank Goodness / I Couldn’t Be Happier
グリンダの“建前の幸福”を描いた「Thank Goodness / I Couldn’t Be Happier」は、明るく軽快なメロディの裏に、深い葛藤が隠された名曲です。
この曲は、グリンダが公衆の前で“幸せです”と語りながらも、内面ではエルファバとの関係や自分の選択に迷いを抱えているという、複雑な感情の表現が最大の魅力です。
アリアナ・グランデの軽やかで華やかな歌声が、明るい場面にふさわしい“理想的な魔女像”を演出しつつも、その裏にある“本当の気持ち”を繊細ににじませています。
曲調と歌詞のギャップによって、グリンダというキャラクターの二面性が際立ち、観客に深い印象を残します。
映像演出では、群衆に囲まれた祝賀ムードのなかで、グリンダが笑顔を見せながらも一瞬だけ見せる“沈んだ表情”が印象的。
それはまさに「自分の本心と公の立場」との間で揺れる葛藤を視覚化した瞬間です。
表面的には幸せそうに見える場面の中に、本作の持つ“真実と欺瞞”という深いテーマが込められています。
6. Wonderful
「Wonderful」は、ウィザードの人物像を際立たせる重要な楽曲であり、“真実を歪める語り”と“人々を魅了する言葉”の危うさが表現されています。
この曲では、ジェフ・ゴールドブラム演じるオズの魔法使いが自らを正当化しつつ、都合の良い物語で民衆を操る姿が、皮肉とユーモアを交えて描かれます。
楽しげなテンポの中に潜む“欺瞞”のメッセージが、本作の核心に触れるポイントです。
ゴールドブラムの独特な語り口と存在感が、この曲に深みと説得力を与えており、舞台版とはまた違った“映画的な魔法使い像”が際立ちます。
曲中で繰り返される「Isn’t he wonderful?」という言葉は、権力に対する皮肉な賞賛としても読み取れ、観客に「真実とは何か」を問いかける演出となっています。
演出面では、舞台のようなショーアップされたセットと照明を用いながら、虚飾に満ちた空間でのパフォーマンスが展開。
華やかながらもどこか空虚な雰囲気が漂い、“本物ではない魔法”を象徴するシーンとして記憶に残ります。
「Wonderful」は、娯楽性と社会批判が融合した、非常に完成度の高い楽曲です。
7. I’m Not That Girl(リプライズ)
「I’m Not That Girl(リプライズ)」は、エルファバの切ない内面を映し出すリフレイン曲として、劇中屈指の感情的なシーンを彩ります。
恋愛、葛藤、そして自己否定──そのすべてが凝縮されたこの曲は、「愛される資格がない」と思い込む彼女の弱さと人間らしさを感じさせる名場面で使われます。
オリジナル版に比べてテンポを落とし、より静かで重みのあるアレンジが施されており、感情の深さが際立っています。
歌詞の中でエルファバが語る「私はあの子じゃない」という言葉には、“自分が選ばれない側”だと受け入れた諦めと、誰かを想う切実な気持ちが込められています。
この曲を聴くことで、観客はエルファバという人物の弱さ・儚さに触れることになり、彼女をより深く理解することができます。
力強さだけでなく、脆さも併せ持つキャラクターとしての魅力が凝縮された楽曲です。
映像では、夜の静かな場面でエルファバがひとりたたずむ姿が描かれ、カメラは彼女の表情をゆっくりと追いながら、その心の奥を映します。
照明・構図・静寂の演出が、彼女の孤独を一層際立たせ、涙を誘う印象的なシーンに仕上がっています。
ミュージカル映画における“静の名曲”として、語り継がれる一曲です。
8. As Long As You’re Mine
「As Long As You’re Mine」は、エルファバとフィエロの想いが交差する、最もロマンティックなデュエット曲として劇中に登場します。
愛と葛藤が同時に存在するこの楽曲は、2人の関係が最も近づいた瞬間を切り取るように、美しくも切ないメロディで表現されています。
前作から引き継がれたこの曲は、映画版ならではの演出と感情の深みによって、新たな魅力を帯びています。
シンシア・エリヴォとジョナサン・ベイリーの歌声は、それぞれのキャラクターの想いをぶつけ合うように力強くも繊細。
「今この瞬間、あなたがそばにいてくれればいい」——そんな言葉に表されるように、未来への不安や危機を抱えながらも、今を大切にする気持ちが真っ直ぐに伝わってきます。
一時の安らぎと永遠の願いが共存する、感情豊かな一曲です。
映像演出では、深い森の中で交わされる密やかなシーンにこの曲が流れ、幻想的な光と影が2人の距離感を美しく映し出します。
過酷な運命の中で育まれる愛が、観る者の心に静かに染み渡るような構成になっており、非常に印象的です。
『ウィキッド』シリーズにおける“愛の本質”を表現した珠玉のデュエットといえるでしょう。
9. No Good Deed
「No Good Deed」は、エルファバの怒りと絶望が爆発する強烈なソロナンバーであり、正義を貫こうとする者が直面する“報われなさ”を激しく表現した一曲です。
劇中では、愛する者を失った直後の混乱と悲しみの中で、エルファバが自らに誓いを立てる場面で歌われます。
この瞬間、彼女の心は崩壊し、“もう誰のためにも生きない”という覚悟が力強く示されます。
シンシア・エリヴォの圧巻の歌唱力が、この楽曲のドラマチックな展開をさらに引き立て、観客の心を揺さぶるクライマックスへと導きます。
とくにサビで繰り返される「No good deed goes unpunished」というフレーズは、“善意さえも罰される世界”への怒りと皮肉を象徴しています。
演出では、雷鳴と暗黒の魔法が渦巻くビジュアルと共に、エルファバの感情が文字通り爆発します。
この一曲を境に、彼女は“悪い魔女”としての運命を受け入れていく流れとなり、物語のターニングポイントともなる重要な場面です。
『ウィキッド』の中でも特に緊張感が高く、音楽・演技・映像すべてが一体となった圧巻のパフォーマンスが楽しめます。
まさにエルファバというキャラクターの“本質”を突き詰めた一曲です。
10. For Good(フォー・グッド)
「For Good」は、『ウィキッド』シリーズを象徴する“友情の決別”を描いた珠玉のデュエット曲です。
エルファバとグリンダが互いの歩んできた道を認め、感謝と別れを交わす感動の名場面で使われ、観客の涙を誘います。
この曲は、「あなたに出会えて、私は変われた」というフレーズを軸に、人との出会いが人生をどう変えるかを静かに語りかけてくるのです。
主演のシンシア・エリヴォとアリアナ・グランデが心を込めて歌い上げるハーモニーは、過去と現在、対立と和解を美しく繋ぎ、物語をしっとりと締めくくります。
“許し”や“理解”といったテーマがメロディに重なり、感情の波が静かに広がっていくのを感じさせてくれます。
映像では、静かな森の中、互いに背を向けながらも目を潤ませるふたりの姿が印象的。
セリフではなく、音楽で想いを伝えるこのラストシーンは、“別れは終わりではなく、新たな始まり”であることを優しく伝えてきます。
『永遠の約束』のタイトルにも通じる“永続する絆”を象徴する一曲です。
この楽曲を聴いた後、観客はふたりの関係を超えた人との関わりや人生の意味について、きっと静かに思いを巡らせることでしょう。
この記事のまとめ
- 映画『ウィキッド 永遠の約束』に登場する主題歌・挿入歌を網羅
- 「Defying Gravity」など人気楽曲が映画版で再解釈
- 新曲「No Place Like Home」「The Girl in the Bubble」も初収録
- 各楽曲が登場するシーンや演出の魅力を詳しく解説
- 音楽を通してキャラクターの感情や物語が深く描かれる
- ミュージカルファンも映画ファンも楽しめる内容構成


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